多田自然農場 4.0 「 遠野から世界へ 」
本当に美味しいものには食材の持つ「本来の風味」という栄養素が含まれています。多田自然農場では、その風味を最大限活かすために、できるだけシンプル且つ絶対的黄金比を探り当てた商品作りに取り組んでいます。隠し味は手作りであること。人にしかできない見極めを怠らないこと。手間をかけて完成した「美味しい」を世界に輸出することは、同時に、遠野の次世代を担う若者達の視野や可能性を広げることに繋がると信じています。口に入れるものを通して自分や地域、国や地球を大切に思う人が増えますように。そんな思いが、質から味、持続可能性まで広く世界で認められるクオリティを実現し続ける力になっています。今では日本全国、そして世界各国から、多田自然農場の商品を求めて遠野へ足を運んでくださる方のいることが見慣れた風景になりつつあります。いつもありがとうございます。そしてこれからも多田自然農場をどうぞよろしくお願い申し上げます。
We go for the Best..
多田自然農場 3.0 「味には厳しく人には優しく」
品質の高い生乳や風味豊かな食材を持続的に生産できる環境と、それを求めてくださるお客様との出会いに恵まれたことを受けてお届け品目を増やすことに目を向けました。それが自社を含めた農や酪農、そして地域の活性に繋がるという明確なビジョンがあったからです。
多田自然農場として絶対に譲れないのは「美味しい」という人間のごく原始的な感覚に訴える質ゆえの味。そこで職員を欧州などの海外にも派遣し、その製品の本場と言われる地に代々伝わる知恵や技術をじっくり学ぶことから始めました。各地から持ち帰った伝統を基に、遠野のサステナブルファームで朝一番に搾られる牛乳や、手間暇かけて育てた野菜を主役にした商品開発に励んでいます。納得ゆくまで試作を重ね、厳選した商品だけを皆様にお届けしています。
実は、畑の土に存在する微生物も人の腸内菌も、多様性がある方が健康で免疫が高く、回復が早いことがわかっています。多田自然農場では、ダイバーシティに富んだ職場環境作りを目指し、バリバリ活躍したい方は勿論、子育て中でもキャリアを伸ばしやすい環境やスペシャルニーズと呼ばれる方々にも輝いていただける職場作りに取り組んでいます。的確なシステムやサポートを整えることで、活躍できる人も機会も増やす。農業で人も地域も豊かにする、それは私たちの掲げる大きな目標の一つです。
With Pride.
多田自然農場 2.0 「 信念が信頼に 」
自社のサステナブルファームで納得のゆく生乳が出来た当時、多田自然農場には直売店や販売先がありませんでした。インターネットのない時代、牛乳の質や味の違い、その意味を知る人もまだ珍しい時代です。化学肥料や組織化が加速し、無農薬や小規模農家が絶滅に向かい始めた時代です。多田自然農場の生乳を求めてくださるお客様探しは、そんな時代に時代に逆行する形で始まりました。創始者多田克彦は、早朝に畑と牛舎の仕事を済ませると、出来上がった商品を鞄に詰め作業着のまま電車に飛び乗りました。都内のデパートやスーパーを訪ね歩き、チャンスをいただければ実演販売する、その繰り返しです。そんな覚悟とプライドを目にしたデザイナーの提案で、商品に自身の名を入れることになりました。こうして「多田克彦」と書かれた商品を差し出し「私が作った牛乳です。ぜひ飲んでみてください。」と語りかけたのが、サステナブルファームを維持するために必要な販路開拓のスタート地点でした。味と質の信頼を地道に築きながら、やがてお取り扱い店は日本全国へと広がります。
古くからの知恵や科学に裏付けされた知識、この目で見た事実や実体験で得た経験を基にいつしか出来上がった譲れない信念。その信念を貫くための努力を惜しまなかったからこそ、今があるのだと思っています。
Fermentation is the key.
多田自然農場 1.0 「 サステナブルファーム 」
一般的に地球にやさしい産業というイメージの定着している農業ですが、実際は森林伐採の理由の70%を占めるのが農地拡大とも言われ、その実情は年々厳しさを増しています。日本は現在少子高齢化が進み、人口減少が大きな課題となっていますが、地球規模で見ると人口は増加しており、それが農地の拡大を推し進めているのです。また、新たに拡大した農園から出る汚染物質が地球環境を荒らし近隣住民の健康を危ぶむリスクにもなっています。こうした現状をグローバルな視点で鑑みた上で、多田自然農場では生産が消費に終わることなく、消費が次の生産につながるシステムの構築に尽力しました。長い年月を経て完成した農園は農地拡大を必要とせず、ひとつの箇所でサイクルが完結する「サステナブル(持続可能性)」なモデルとしても注目を浴びています。大地の作物を食した家畜の排泄物に微生物が繁殖した堆肥は有機肥料に変わり、再び大地に戻ります。それが新たな作物の芽に生まれ変わる循環システム。東北の深山にひっそりとたたずんでいる小さな農園は「持続可能な農園」=「サステナブルファーム」として、過去・現在・未来を紡ぎながら、風味豊かな野菜を作り、生乳作りを支えています。